2025年12月、アメリカ合衆国政府は、多様性ビザ(Diversity Visa:DV)プログラム、いわゆる「グリーンカード抽選制度」を一時停止すると発表しました。国土安全保障長官のクリスティ・ノーム氏が、ドナルド・トランプ大統領の指示による措置であると明らかにしています。
- トランプ政権が多様性ビザ(DV)プログラムを無期限で停止。
- 大学銃撃事件の容疑者がDV経由の永住権保持者だったことが背景。
- 合法移民全体の引き締めを進める政権方針の一環と位置づけられた。
今回停止された多様性ビザ制度は、1990年代に米議会で創設された制度で、米国への移民が比較的少ない国の出身者を対象に、毎年最大5万5,000人に永住権(グリーンカード)を付与する仕組み。応募者は学歴や職歴、身元調査、面接などをクリアする必要があるが、抽選方式で選ばれる点が特徴となっている。
2025年は約2,000万人が応募し、家族を含めると13万人以上が当選していた。こうした中、ブラウン大学およびMITで発生した銃撃事件の容疑者が、DVプログラムを通じて永住権を取得していたことが判明し、政権は制度の安全性に問題があると判断した。
ノーム長官はSNS上で「このような人物が入国を許されるべきではなかった」と発言。一方で、報道によれば容疑者は2000年に学生ビザで入国しており、DVビザとの直接的な因果関係を疑問視する声も出ている。
多様性ビザは国務省が主に所管している制度であり、国土安全保障省(DHS)や移民局(USCIS)による一時停止の法的根拠は明確ではない。全面的な停止には議会措置や大統領布告が必要になる可能性がある。
今回の措置は、トランプ政権にとって2度目のDV停止となる。2020年にも新型コロナ対応の一環として制度は停止され、バイデン政権下の2021年に再開されていた。
国務長官のマルコ・ルビオ氏も「誰を米国に受け入れているのかを完全に把握するまで、DVビザの発給を無期限で停止する」とコメント。DV当選者や申請予定者にとっては、面接の遅延や申請延期など不透明な状況が続く見通しとなっている。 トランプ大統領は以前から多様性ビザ制度を批判しており、今回の決定は、渡航制限拡大や亡命審査停止など、最近相次ぐ移民規制強化策の延長線上にある動きといえそうです。
















コメントを残す