2026年7月24日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、スミソニアン協会とその国立アメリカ歴史博物館への信頼回復を目的とした大統領令に署名するという発表がありました。(大統領令|ファクトシート)
- 大統領令は国立アメリカ歴史博物館の展示が偏った歴史観を広めていると指摘している。
- 国立公園局が博物館周辺の歩道に一時的な警告看板や訂正展示を設置するよう指示された。
- 独立宣言署名者56人の顕彰が不十分だとし建国250周年に合わせた是正を求めている。
今回の大統領令は、2025年3月27日に発令された大統領令14253号「米国史における真実と健全さの回復」に基づき、ドメスティック・ポリシー・カウンシル(国内政策会議)が数カ月にわたり実施したスミソニアン協会および同協会の国立アメリカ歴史博物館に関する審査の結果を踏まえたものである。この審査結果は報告書「Saving America’s Story:国立アメリカ歴史博物館におけるイデオロギー的支配が米国の遺産をいかに損なっているか」としてまとめられた。
同報告書は、博物館の指導部が米国史を国民が共有し称えるべき遺産としてではなく、社会正義の思想や社会の急進的変革を推し進める「主要な道具」とみなしていると指摘し、現在のスミソニアン協会および博物館の指導部には、米国の物語を誠実かつ感謝の念を持って伝える姿勢が欠けているとしている。これを受け、政権としては報告書が指摘した問題に対処し、スミソニアン協会への信頼を回復するためあらゆる手段を講じる方針だとしている。
大統領令は、内務長官、行政管理予算局(OMB)局長、一般調達局(GSA)長官、大統領国内政策担当補佐官に対し、資金提供や契約条件などあらゆる権限を活用して報告書の指摘事項の是正と関連法令の順守を促すよう指示している。あわせて内務長官は、国立公園局(NPS)を通じて、博物館へのアクセスに利用される公共の歩道沿いに一時的な看板を設置し、来館者に報告書の内容と政権方針を周知するとともに、正確な歴史情報を得られる場所や資料へ案内するよう指示された。
さらに大統領令は、建国250周年にあたる本年、博物館が独立宣言の署名者56人を十分に顕彰してこなかったとし、博物館内の不正確な情報を訂正する一時的な展示や看板を、NPSが管理する公共の歩道・敷地内に設置するよう内務長官に求めている。ファクトシートによれば、報告書はスミソニアン協会の使命が歴史教育・研究から、分断と落胆をもたらす「マルクス主義に根差した急進的な政治活動」へと転換したと主張しており、同協会が米国の納税者から年間10億ドル超の資金を託されているにもかかわらず、それに見合う運営がなされていないとしている。
今回の大統領令は、政権が推し進める建国250周年関連の一連の取り組みの延長に位置づけられる。政権はこれまで、就任初日に250周年準備のためのタスクフォースを設置したのをはじめ、Rededicate 250やグレート・アメリカン・ステートフェア、セオドア・ルーズベルト大統領図書館の開館、国際海軍観艦式、セイリュート・トゥ・アメリカ、ペイトリオット・ゲームズなどの記念行事を展開してきたほか、国定記念物への破壊行為対策や国立英雄庭園の建設、2025年8月の国旗保護に関する大統領令などにも取り組んできたとしている。
なお、スミソニアン協会側は、今回の大統領令について現時点でコメントする段階にないとしている。












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