2026年7月23日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、強制労働により生産された物品の輸入禁止措置が不十分だとされる日本を含む60の国・地域を対象に、通商拡大法301条に基づく関税を発動するという発表がありました。(大統領覚書|ファクトシート)
- 60の国・地域を対象に強制労働品の輸入規制不備を理由とする301条関税が発動された。
- 日本・韓国・スイスはMFN税率と合算して12.5%となるよう301条関税が設定される。
- 新関税は7月24日午前0時1分(東部時間)に発効しトランプ関税の一部と入れ替わる。
米通商代表部(USTR)は2026年3月12日、日本を含む60の国・地域を対象に、強制労働により生産された物品の輸入を禁止し、実効的に取り締まっているかどうかを検証する通商拡大法301条調査を開始していた。同年6月2日、USTRはすべての対象国・地域についてこの取り組みが不十分であり、301条上「不合理」または「差別的」で米国の通商を圧迫・制限していると認定した。この認定を受け、7月7日から9日にかけて公聴会が開かれ、1,600件を超える書面意見と100人超の証言が寄せられたという。
今回の大統領覚書は、これらの手続きを経て最終的な関税率を確定させるものとなる。関税率は対象国・地域の対応状況に応じて3段階に分かれる。1つ目は、強制労働品の輸入禁止を制度上は導入しているものの実効的な運用に至っていない国(カナダ、エクアドル、EU、インドネシア、メキシコ、パキスタン)や、相互貿易協定で禁止措置導入を約束した国(アルゼンチン、バングラデシュ、カンボジア、エルサルバドル、グアテマラ、マレーシア、台湾等)、部分的な禁止制度を持つ英国を対象とする10%の関税。2つ目は、それ以外の国・地域を対象とする12.5%の関税。3つ目が、EU・台湾については既存の最恵国(MFN)税率と合算して10%に、日本・韓国・スイスについては合算して12.5%になるよう301条関税を調整する特別な仕組みで、対象製品のMFN税率がすでにこの水準に達している場合は301条関税をゼロとする。
この3つ目の仕組みにより、日本からの輸入品については、品目ごとのMFN税率と301条関税の合計が12.5%となるよう調整され、すでにMFN税率が12.5%以上に達している品目には追加の301条関税は課されない。USTRは、日本・韓国・スイスについてはそれぞれの相互貿易協定等の内容と整合的な形でこの仕組みを適用し、強制労働品の輸入禁止に関する取り組みの実効化を促す狙いがあるとしている。
このほか、覚書は一部品目について301条関税の適用除外を認めており、国内供給が不足しうる原材料や、経済全体に混乱を及ぼしうる製品、米国内で十分な量を生産できない製品などが対象になるという。具体的な除外品目は覚書の附属書(Annex)に定められる。また、バングラデシュ・カンボジア・インドネシア・マレーシアについては、米国産綿花・繊維製品の輸入拡大を条件に、一定量の繊維・アパレル製品を301条関税の対象外とする関税割当(TRQ)制度を新設する方針も示されており、USTRは2026年9月1日までの制度確立を目指すとしている。TRQ確立までの間は、対象となる繊維・アパレル製品にも通常どおり10%の関税が課される。
なお、6月の認定後にカンボジア・グアテマラ・ホンジュラス・インド・スリランカ・トリニダード・トバゴが新たに輸入禁止措置を導入し、ヨルダンが相互貿易協定で禁止措置導入を約束したことを受け、これらの国・地域は12.5%ではなく10%の関税率に区分し直されたという。今回の新関税は2026年7月24日午前0時1分(東部時間)に発効する予定で、期限を迎えるトランプ政権の一律10%関税(グローバル関税)と入れ替わる形で適用されるとされている。












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