2026年7月30日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、国防生産法(Defense Production Act)第101条に基づき、回収可能な重要鉱物・資材(Recoverable Critical Minerals and Materials, CMM)について商務長官に輸出制限を含む権限を付与する大統領決定に署名するという発表がありました。(大統領覚書|ファクトシート)
- 回収可能な重要鉱物・資材が国防に不可欠な資源であり供給不足が安全保障上の脅威だと認定した。
- 使用済みレアアース永久磁石やスワーフなど廃棄物・スクラップに含まれる鉱物が対象となる。
- 商務長官に輸出制限を含む規則・指針を発する権限を付与し連邦官報での公表を指示している。
今回の決定は、国防生産法第101条に基づき、回収可能な重要鉱物・資材(CMM)が国防を支えるうえで必要な産業資源であると認定するものとしている。米国は特定のCMMの輸入を海外に大きく依存しており、この依存が深刻かつ持続的なサプライチェーンの混乱をもたらすリスクとなっているとし、供給確保に向けた早急な対応が不可欠だとしている。
対象となる「回収可能な重要鉱物・資材」には、ブラックマス(電池リサイクル過程で生じる粉末状の物質)や、製造工程を終えた使用済みのレアアース永久磁石などの製品、スワーフ(金属切削くず)、その他重要鉱物・資材を含む廃棄物・スクラップが含まれるという。ただし銅スクラップは、2025年7月30日付の布告(copper輸入調整に関する布告10962号)ですでに対象となっているため、今回の決定からは除外されている。
大統領は、回収可能なCMMが国防に不可欠な希少・重要資材であり、その需要は、通常の民間市場での流通に著しい混乱を生じさせ相当な支障を来す形でなければ満たすことができないと認定した。そのうえで商務長官に対し、大統領令13603号(国家防衛資源即応体制)で委任された権限のもと、規則・ルール・指針・手続きの発出を含むあらゆる適切な措置を講じてこの決定を実施し、連邦官報で公表するよう指示している。
ファクトシートによれば、この決定は商務長官に対しCMMへの輸出制限を課す権限を付与するものだとしている。米国は永久磁石やリチウムイオン電池といった完成品の形で相当量のCMMを保有しているが、特定のCMMの輸入については海外依存度が高く、一部は深刻かつ長期的なサプライチェーンの混乱リスクにさらされているという。使用済みとなった製品に含まれるCMMは、産業廃棄物の中から回収・リサイクルできるとしている。CMMは重要インフラ分野の機能・安全性・強靭性を維持・強化するうえで欠かせないほか、高度な防衛システムを支える主要な部材として、技術的優位性や即応性、高性能な軍事装備を支えているとしている。
政権はこれまでにも、2025年3月に米国内での鉱物生産を後押しする大統領令、同年4月に防衛調達の近代化と防衛産業基盤の技術革新を促す大統領令、2026年1月には加工済み重要鉱物・派生製品(PCMDP)の輸入をめぐり貿易相手国と協定交渉を行う大統領令、そして2026年7月には最先端装備に必要な重要資材・部品の国内供給確保を狙いとする大統領令を、それぞれ署名してきたとしている。












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