2026年10月22日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、国防生産法(DPA)303条に基づく国内の石油生産・精製・物流能力に関する大統領決定(戦争長官宛ての覚書)の発表がありました。(覚書)
- 国防生産法303条に基づき、国内の石油生産・精製・物流能力を国防に不可欠と大統領が認定
- 産業界だけでは適時に確保できないとして、303条の通常要件(a)(1)〜(6)を免除した
- 戦争長官に購入・購入約束・金融手段の実施を指示。4月の同名の決定は宛先がエネルギー長官
ホワイトハウスは2026年10月22日、トランプ大統領が国防生産法(DPA)303条に基づく大統領決定の覚書に署名したと発表した。宛先は戦争長官で、件名は「国内の石油生産・精製・物流能力に関する大統領決定」。覚書は、2025年1月20日の大統領令14156(国家エネルギー緊急事態の宣言)が、エネルギーの生産・輸送・精製・発電能力の不足を国の経済・安全保障・外交への異常かつ並外れた脅威と認定したことに触れ、それに沿って、回復力のある国内の石油生産・精製・物流能力は国防即応態勢の中核だと判断したとしている。石油は軍、産業基盤、重要インフラの燃料であり、連邦政府がすぐに動かなければ米国の防衛能力は混乱に対して脆弱なままだと述べている。
大統領は303条(a)(5)に基づき、次の3点を認定した。第1に、探査・生産、集荷・送油パイプライン、貯蔵、海上ターミナルを含む国内の石油生産・精製・物流能力は、国防に不可欠な産業資源、物資、または重要技術品目である。第2に、大統領が303条に基づく措置をとらなければ、資金調達の制約、長いリードタイム、許認可やインフラのボトルネック、サプライチェーンの制約により、米国の産業界はこれらの能力を適時に提供できない。第3に、購入、購入約束、生産能力の開発に対する金融支援などの措置が、最も費用対効果が高く、迅速で実際的な手段である。そのうえで、国家緊急事態の下で能力拡大が国防能力を著しく損なう不足を避けるために必要だとして、303条(a)(7)に基づき、同条(a)(1)〜(a)(6)の要件を免除した。戦争長官には、必要な購入、約束、金融手段を実施し、決定を連邦官報に公表する権限と指示が与えられた。
今回の決定は、4月のものと同名だ。連邦官報によると、同じ件名の「大統領決定2026-11」は2026年4月20日に署名され、4月23日に公表された(91 FR 21933)。連邦官報の掲載版(非公式のXML版)では、宛先はエネルギー長官だった。ホワイトハウスの10月の頁は、関連文書として4月の決定を挙げているが、覚書自体は、新規か修正か、4月の決定を置き換えるものかを明記しておらず、過去の覚書・布告・大統領令のうち矛盾するものは、その範囲で上書きするとの一般規定があるだけだ。宛先を変えた理由を説明する報道は、確認できなかった。
覚書には、金額、対象事業、期限は示されていない。303条の決定は、政府が資金や購入での支援に動けるようにする法的な前提を整えるもので、実際に誰がどの案件を支援するかは、担当省庁が定める制度や公募、予算に左右される。
今回の決定でも、戦争省がどのような枠組みで実施するのか、4月のDOE向け決定とどう整理されるのかは、現時点で明らかになっていない。石油・ガス、パイプライン、精製、貯蔵・ターミナルの事業者にとっては、今後の連邦官報での公表や、戦争省・DOEからの公募の有無が注目点になる。














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