2026年10月15日、ホワイトハウスによって、S. 240、S. 283、S. 2403の3法案への大統領署名と成立の発表がありました。(ホワイトハウス発表|S. 240|S. 283|S. 2403)
- トランプ大統領が10月15日にS. 240、S. 283、S. 2403の3法案に署名し、いずれも成立した
- クロウ族の水利権和解法を改正して水道整備の柔軟性を高め、水産物の原産地を化学分析で特定する手法も開発する
- ESOPの非上場株式の評価基準を定め、受託者が独立した鑑定人の評価に誠実に依拠できるようにする
トランプ大統領は2026年10月15日(木)、S. 240、S. 283、S. 2403の3法案に署名し、成立させた。ホワイトハウスの発表は、各法案の趣旨を1文ずつ示すもので、S. 240はクロウ族水利権和解法改正法、S. 283は違法なレッドスナッパー・マグロ取締法、S. 2403はRetire through Ownership法である。分野は水利権、水産物の流通、退職制度と異なるが、いずれも上院で先に可決され、下院でも可決されたとされる。以下では、議会資料と報道から確認できた範囲で各法案の内容を補足する。
S. 240は、クロウ族がモンタナ州にもつ居留地での水事業をめぐる法律の改正である。2010年のクロウ族水利権和解法は、4億6,000万ドルを授権し、都市・農村・産業用(MR&I)の水道システム整備や灌漑事業の修復などを定めた。上院の報告書(S. Rept. 119-93)は、設計の複雑さ、建設費の上昇、部族の運営負担から、当初設計のシステムは実行が難しいと説明している。改正法は和解を「事業ベース」から「資金ベース」に改め、部族が地域ごとの水・下水事業に資金を使えるようにする。水力発電では、イエローテール・アフターベイダム(Yellowtail Afterbay Dam)での部族の独占的な開発権を、15年から20年に延長する(2030年まで)。報告書によれば、授権額は増えず、水利権やモンタナ州との協定も変わらない。クロウ族のホワイトクレイ議長は、改正により「手を縛られていた状態から解放され、すでに割り当てられた資金を使える」と述べている。
S. 283は、商務省に、水産物の原産地を化学分析で特定する標準的な手法の開発を求める。上院の法案本文によれば、海洋大気庁(NOAA)と国立標準技術研究所(NIST)が、税関・国境警備局(CBP)と沿岸警備隊と協議して開発し、1人で持ち運べる簡易検査キットで、処理時間を短くし、可能な範囲で寿司、刺身、ポキなどの調理済み食品にも使えるようにする。対象は、レッドスナッパーと、メバチ、キハダ、クロマグロで、試験研究を行い、2年以内に手法の概要と実用化計画を議会に報告する。シーフードソースによれば、下院は2026年9月14日に音声投票で可決した。法案を主導したテッド・クルーズ上院議員(共和党、テキサス州)は、カルテルなどがこれらの魚を不法に捕獲・輸入・販売し、麻薬密輸や人身取引の資金にしていると述べ、ブライアン・シャッツ上院議員(民主党、ハワイ州)は、安い外国産マグロを地元産の高級品として偽る行為を挙げている。
S. 2403は、従業員持株制度(ESOP)をめぐる退職所得保障法(ERISA)の改正である。非上場株式の「適正な対価(adequate consideration)」について、受託者が、内国歳入庁(IRS)の歳入規則59-60の評価方法に従う独立した専門鑑定人に誠実に依拠できるようにするもので、労働省は追加の指針を出せるが、同省の権限を広げるものではなく、ERISA第404条の受託者義務も変えない。退職制度の業界団体NAPAの記事は、株式の評価と関連する法的責任がESOP導入の最大の障壁だと指摘しており、ザ・ESOPアソシエーションのジェームズ・ボナム氏は、上院での可決を「ESOPにとって画期的な出来事」と評した。ティム・ケイン上院議員(民主党、バージニア州)とロジャー・マーシャル上院議員(共和党、カンザス州)の超党派法案で、上院は2025年10月9日に全会一致で可決、下院は2026年9月中旬に401対14で可決したと報じられている。なお、3法案の大統領署名後の最終条文(Enrolled Bill)は、議会サイトを取得できなかったため直接確認できておらず、上記は上院通過版や報告書、報道に基づく。












Leave a Reply