2026年9月8日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、カナダの米国向け差別的関税措置への対抗措置として関税法338条に基づくカナダ製品の輸入禁止を含む5本の布告に署名するという発表がありました。(布告全文(自動車関連)|ファクトシート)
- カナダが自動車・乳製品・酒類分野の差別的関税を維持したとして、対象品目の一部を50%関税から9月29日発効の輸入禁止に格上げするとしている。
- カナダも同日、米国製品約200億ドル相当・700品目超に15〜50%の報復関税を発動し、鉄鋼・アルミには50%を課したとされている。
- トランプ政権は今回の対抗措置と並行して岩塩・セメント等を対象から外し、全地形対応車(ATV)・追加乳製品等を新たに追加するなど対象品目の範囲も調整したとしている。
今回の一連の布告は、7月20日の布告11048(自動車関税)・8月18日の布告11046(酒類)・同11047(乳製品)に基づく50%追加関税の対象品目のうち一部を輸入禁止に格上げするものだ。ホワイトハウスのファクトシートによれば、カナダは8月の交渉決裂後もこれらの差別的関税措置を撤廃せず、むしろ9月8日に新たな報復措置を取ったとしている。なお同日、トランプ政権はGSA(連邦一般調達局)のマルチアワードスケジュールからカナダ原産製品を除外するよう商務代表・GSA長官に指示したとしている。
カナダ側の動きも激化している。カナダ財務省(カナダ.ca)の公式発表によれば、カナダ政府は9月8日午前12時1分より、米国製品約200億カナダドル(約200億米ドル相当)に対して15・25・50%の報復関税を発動した。対象は米国製の鉄鋼・アルミ(50%)、乳製品・農業機器・海産物・家電・木材・紙製品・衣類など700品目超にわたり、「ドルフォードル」でトランプ政権の関税と対応する形で設定されたとしている。カーニー首相は「コストが上昇しカナダ国民の選択肢が減ることは認めるが、座視するわけにはいかない」と述べたとされている。
今回の対立の経緯は複雑だ。7月の布告11048発動後、カナダは交渉再開を約束して3日間の一時停止(布告11056)を引き出したが、8月21日に約束を翻したとトランプ政権は主張している。一方カナダ側は、8月の交渉でも米国側が土壇場で新条件を提示したことで交渉が決裂したとし、報復措置を「正当な対抗手段」と位置づけているとされている。この間、カナダの8州が米国産アルコール飲料の販売を制限したとされ、米国のスピリッツ輸出は前年比70%超の落ち込みを記録したとも報じられている。
輸入禁止発効日(9月29日)と品目変更発効日(9月15日)が迫る中、米加のサプライチェーンに組み込まれた企業にとっては調達コストや供給への影響が懸念される。今後の政府間交渉次第で措置の拡大・縮小双方のシナリオが想定されるとしている。









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