2026年8月31日、米連邦取引委員会(FTC)と22州の司法長官によって、Amazon.com(NASDAQ: AMZN)がオンライン検索広告オークションにおいて不正かつ欺瞞的な手法で価格を秘密裏に引き上げてきたとして提訴するという発表がありました。(プレスリリース)
- 2019年からオークション後に「ソフトリザーブ価格」という非開示のサーチャージを上乗せしていたと主張している。
- 100万社超の広告主から7年以上にわたり数百億ドルを不当に徴収した疑いがあるとしている。
- 2024年にはSponsored Products広告主の約80%が自分の入札額そのものを支払っていたとしている。
FTCによる訴状は、Amazonが2019年から開示なしにオークションのルールを変更し、「ソフトリザーブ価格(soft reserve price)」と社内で呼ばれるサーチャージを追加したと主張しているとしている。通常のオークションで勝者が支払う価格は2番目に高い入札者の価格(セカンドプライス方式)であるにもかかわらず、Amazonはオークション終了後にリザーブ価格を計算し、それが競合入札者の価格を上回る場合に、その高い方の金額を広告主に請求していたとしている。
訴状が引用するAmazonの社内文書では、広告主が支払う価格について「実際の入札者によって設定されるのではない」として「proxy 2nd price(代替セカンドプライス)」と記述していたとされ、別の文書ではAmazonが「invented auction participant(架空の参加者)」を使って価格を引き上げていたことを認めていたとしている。
FTCのアンドリュー・ファーガソン委員長は、世界最大級のオンライン小売業者が不正で欺瞞的な行為を行えばその影響は甚大だとし、Amazonの数百万人の広告顧客が著しく高い価格を支払うよう誘導され、このコスト増は概ね米国消費者に転嫁されたとの見解を示しているとしている。訴状によれば、この手法は100万社超の広告主(うち中小企業は50万社超)に影響を及ぼし、Amazonにとって数百億ドルに上る追加収益をもたらした可能性があるとしている。2021年には広告主が自分の入札額を全額支払うケースが30〜40%だったが、2024年にはSponsored Productsにおいて約80%に達していたとしている。
Amazonはこの訴訟を「見当違いの提訴」と呼んで強く否定しているとしている。ソフトリザーブ価格の使用自体は否定していないが、これはあくまで広告掲載枠の市場価値の自社推計を反映したものだとの立場を示しているとしている。また、広告主が支払う金額が自分の入札額を超えることはなく、オークションの仕組みは広告の関連性と価値を高めるよう設計されていると主張しているとしている。
Amazonの主張では、2018年以降のキャンペーン作成ツールは、請求される金額が入札額を上限とすることを一貫して告知してきたとしている。一方、訴状は2026年8月26日まで「セカンドプライスオークション」との記述が残るウェブページが削除されなかったことも指摘しており、Amazonは2024年10月に調査の存在を把握した後に広告ヘルプ資料を更新したと述べているとしている。
Amazonの広告事業は2025年に年間約680億ドルの売上高を記録し、2026年第2四半期には前年同期比26%増の198億ドルを計上しているとしている。Sponsored Products・Prime Video広告・スポーツ中継・AIを活用した広告ツールが成長を牽引しているという。今回の提訴について投資家からみると、訴訟の存在が広告ビジネスの収益性を直ちに損なうわけではなく、Amazonは訴訟での争い、和解、広告慣行の修正など複数の選択肢があるとの見方も存在する一方で、最終的に制裁金や損害賠償が命じられた場合の規模は不透明だとしている。













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