2026年9月16日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、チェサピーク湾の保護を定めたオバマ政権の大統領令13508(2009年)を廃止し、連邦リソースを直接的な水質改善事業に集中させる新たな大統領令に署名するという発表がありました。(大統領令全文|ファクトシート)
- 2009年のオバマ大統領令13508を廃止し、各州・自治体が根拠としてきた「雨水管理手数料(雨税)」の撤廃を奨励するようEPAに指示したとしている。
- 農務省・EPA等6機関に対し、チェサピーク湾向け連邦資金を直接的・測定可能な水質改善現場事業に集中させ、行政コストを削減するよう指示したとしている。
- 大統領令は流域7州・DCが堆積物100%・リン90%・窒素57%の削減目標を達成済みと記載し、2026年の「死水域」は1985年以来最小規模と予測されるとしている。
チェサピーク湾は米国最大の河口湾で、ニューヨーク・ペンシルベニア・メリーランド・バージニア・デラウェア・ウェストバージニア各州とコロンビア特別区の流域を抱える。2009年にオバマ大統領が署名した大統領令13508は州・自治体に対して湾の環境保護への貢献を広く義務づけたが、具体的な実施方法を明示しなかった。今回の大統領令はこの曖昧さを問題として指摘し、多くの自治体が同令を根拠に住民・中小企業に年間数百ドルの「雨水管理手数料(通称:雨税)」を課してきたと批判しているといった内容となっている。
トランプ政権は「雨税」について「大統領令13508はそのような措置を求めも正当化もしていないにもかかわらず、測定可能な便益もなく住民に経済的負担を強いてきた」との立場を示しているとしている。これに対して環境保護団体の一部は、雨水管理は湾の水質汚濁防止に有効であり、手数料の廃止は河川・湾への汚水流入を増加させるリスクがあるとして懸念を示しているとのこと。大統領令はEPAに対し、流域7州・DCと協力して住民負担を評価し、コスト増加なしに環境目標を達成できる方策を探るよう指示したようだ。
水質改善の実績については、大統領令本文が客観的な数値を記載している。2025年時点で流域全体での堆積物削減は目標の100%、リン削減は90%を達成しており、窒素削減は57%の進捗とされている。また2026年、ウィリアム・アンド・メアリー大学やメリーランド大学の研究者らが今年の「死水域(低酸素水域)」面積は1985年以来最小規模と予測されると報告している。
政権はこうした改善が既存の取り組みの成果であり、大統領令13508の廃止が水質目標の達成に影響を与えないとの立場だが、環境団体は今後の推移を注視するとしている。









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