2026年8月12日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、国境を越えたサイバー犯罪への対処能力を拡大するため、審査を通過した米国民間企業に政府の統制下でサイバー作戦の実施を認めるプログラムを創設する大統領覚書に署名するという発表がありました。(大統領覚書)
- ・審査を通過した米国企業が政府の監督下でサイバー作戦を実施できる制度が新設される。
- ・対象は外国のサイバー犯罪組織に限られ米国人や国内システムへの実施は禁じられている。
- ・司法省と国土安全保障省の共同責任者が全作戦を事前に書面で承認する体制となる。
覚書は、国際犯罪組織(TCO)が米国市民や企業、国家安全保障に対する脅威を強めており、継続的なサイバー攻撃によって詐欺を働いているとしている。政権は2026年3月の大統領令14390号ですでに対策を指示していたが、今回の覚書はこれを拡張し、民間部門の技術力を取り込む形となる。米国の民間部門は世界で最も革新的かつ技術的に進んでおり、その規模と速度が重要な優位性をもたらすとしながら、これまでその能力がサイバー空間の犯罪ネットワークの特定・妨害に十分活用されてこなかったとしている。
新たなプログラムは、国家調整センター(NCC)が創設・管理する。参加企業は連邦政府の統制と監督のもと、外国の「サイバー犯罪型国際犯罪組織(CE-TCO)」に対するサイバー監視作戦およびサイバー効果作戦を実施できるようになる。運営は司法省と国土安全保障省がそれぞれ指名する共同エグゼクティブ・ディレクター2名が担い、両者の調整を経たうえでなければ作戦は承認されない。参加企業は司法省または国土安全保障省と契約を結び、厳格な審査と運用手続きの順守が求められるとしている。
覚書は複数の統制メカニズムを定めている。参加企業には技術力・実績・施設保安・人員審査などの最低基準が課され、契約条件として100万ドル以上の保証金または預託金の維持を義務付けることができる。作戦はすべて共同ディレクターが個別に審査し、書面で承認・指示したうえでなければ実行できない。また、人命の損失や重傷、国際法上の武力行使に相当しうる「重大な結果」を招く作戦については、共同ディレクターの権限では承認できないとされている。
米国内への影響を防ぐ規定も置かれている。米国人を対象とする活動や、憲法・連邦法・国際法上の義務に関わる活動については、作戦承認の前に司法省の審査を含む必要な許可(司法上のものを含む)を得る手続きが求められる。参加企業が、米国人・米国内の情報システム・米国人が管理するシステムを意図せず対象としてしまったことに気づいた場合は、直ちに作戦を停止し、影響を最小化する措置を取ったうえでNCCに通報し、NCCが司法省に通報する仕組みとなっている。米国の重要インフラへの差し迫った攻撃を発見した場合も同様の即時通報が義務付けられている。
共同ディレクターは、覚書の発令から60日以内に国土安全保障会議と連携して運用手続きを策定し、180日以内およびその後は毎年、プログラムの状況に関する報告書を作成して政策・国土安全保障担当大統領次席補佐官と国家サイバー長官に提出するとしている。参加企業は少なくとも年1回、継続参加の可否について評価を受けるという。






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