2026年9月8日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、国防生産法(Defense Production Act)に基づくエネルギー分野の大統領権限委任先を内務省とエネルギー省の双方に拡大する大統領令に署名するという発表がありました。(大統領令)
- 国防生産法上のエネルギー分野の権限委任先をエネルギー省のみから内務省・エネルギー省の双方に拡大し、両長官が独立して行使できるとしている。
- 両省間の権限紛争は国家安全保障案件を除き「国家エネルギー支配評議会」が一次調停し、軍事・国防案件はNSCも関与するとしている。
- 大統領令13603(2012年)と14391(2026年3月)への追加改正で、内務省がエネルギー資源管理の中心的役割を担う体制へのシフトを示すとしている。
国防生産法は朝鮮戦争中の1950年に制定された連邦法で、国家安全保障上の緊急事態において大統領がエネルギー・食料・輸送・建設資材などの生産・配分・確保を民間企業に命じる権限を定めている。今回改正されたのはオバマ政権が2012年に署名した大統領令13603(国防資源整備令)で、国防生産法上の大統領権限を各省庁長官に委任する内容だ。トランプ政権は今年3月にも一度改正(大統領令14391)しており、今回はその追加改正となる。
具体的な変更点は3つある。第一に、生産・配分管理に関する権限委任先のうちエネルギー分野を「エネルギー省長官」から「内務省長官とエネルギー省長官の双方」に変更し、両者が独立して行使できることとした。第二に、エネルギーの生産・建設・流通・使用に関する調整権限も同様に両省の共同管轄とした。第三に、連邦政府機関向け優先購入・配分命令権限(法101条)を「内務省・商務省・エネルギー省の三省」の独立行使に改めた。
今回の大統領令で注目されるのは、省庁間紛争の調停先として「国家エネルギー支配評議会(National Energy Dominance Council)」が指定された点だ。同評議会はトランプ政権が2025年1月の大統領令で設置したエネルギー政策の司令塔組織で、石油・天然ガス・石炭・原子力の生産拡大を推進する方針を担っている。エネルギー分野で両省の判断が対立した場合は同評議会が一次調停を行い、国防インフラや軍事作戦に関わる案件については国家安全保障会議(NSC)も関与するとしている。
内務省はアラスカや西部の連邦公有地・沖合油田などのエネルギー資源を管理しており、トランプ政権が掲げる「エネルギー支配(Energy Dominance)」政策において重要な役割を担ってきた。今回の大統領令でエネルギー省と並ぶ形で国防生産法上の権限が付与されたことは、連邦政府のエネルギー資源開発の中心的役割が内務省にシフトしていることを示すものとも受け取られているとしている。








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