2026年8月31日、Ernst & Young LLP(EY)(EY Americas CEO兼米国マネージングパートナー:ダンテ・デジディオ)によって、EY US(米国法人)がAI時代に重要性を増す人間的スキルを評価・報奨するため、1億ドルを投資するプログラムを発表するというアナウンスがありました。(プレスリリース)
- ビジネス判断力・適応力・リーダーシップなどの人間的スキルを評価する1億ドルの報奨プログラムを導入する。
- 英国では若手コンサルタントに対しオフィスでの「有意義な時間」が人材育成に重要だと伝えている。
- KPMGやMicrosoft(ナデラCEO)も同様のスタンスを示しAI時代の対面重視の流れが鮮明になっている。
EY USは今回のプログラムについて、AI主導・人間主体の世界で活躍できる人材を惹きつけ育成するための多額の投資の一環だとしており、技術革新の速さと業界の複雑さに対応する自信あるリーダーシップが求められるとしている。報奨の対象となるスキルは、ビジネス感覚、判断力、適応力、リーダーシップとされ、AI・技術の活用も評価対象に含まれるとしているが、人間的スキルの重要性が前面に押し出された内容となっている。プログラムは専門職全階層を対象に開放されており、社員が貢献を随時評価し合える仕組みも取り入れるとしている。
一方、英国では、EYのUKコンサルティング部門責任者サイェ・ガンバリ氏がFTのインタビューで、ここ数年で「自宅中心の生活を送る人が増えた」という変化が起きているとし、それはAIの時代における成功への道とは言えないとの見解を示したとしている。同社はリモートワーク方針を正式に変更してはいないが、パートナーらが若手コンサルタントに対し、オフィスでの「有意義な時間」が人材育成や関係構築、クライアントサービスに向けた成長を後押しするとの認識を伝えているとしている。AIがルーティン業務を担う割合が増えるなか、人間のコンサルタントは「人間であることを得意にしなければならない」とし、それはリモートワークだけでは身につかないとの考えを示しているという。
KPMGのUKアドバイザリー部門責任者カラム・ライセンス氏も同様の立場から、AIにより「キャリアをスタートさせる人たちが他者から直接学ぶ機会を持つことが、かつてないほど重要になっている」と述べているとされ、同社は対面での研修を通じたソフトスキル育成の新たなアプローチを試みているとしている。またマイクロソフトのサティア・ナデラCEOも、AIの急速な台頭を背景にオフィス勤務が「一層重要になった」との考えを示しているとされる。
こうした動きの背景には、若年層の職場環境への適応に関する調査結果が複数存在している。Diamond Interiorsが実施した調査ではGen Z社員の53%が在宅勤務の方が生産性が高いと感じているとされる一方で、若い世代の働き手の孤独感が高まっているとする調査も相次いでいるという。
AIがテクニカルスキルの差別化要因としての重みを失わせるなか、共感力やストーリーテリング、リーダーシップなど「人間ならではのスキル」がコンサルティングビジネスにおける競争優位の源泉になりつつあるというのが、業界幹部の共通認識になりつつある。EY自身も、パンデミック後にAI・テクニカルスキル教育に傾注するなか「人間的スキル」のトレーニングが「軽視されていた」と指摘しているとしている。












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