2026年8月31日、Aon plc(NYSE: AON、CEO:グレッグ・ケース、本社:アイルランド・ダブリン)によって、KKRほかの株主からUSI Insurance Services(本社:ニューヨーク州ヴァルハラ、会長兼CEO:マイク・シカード)の全持分を総額170億ドルで取得する最終合意書を締結したという発表がありました。(プレスリリース)
- 買収価格は170億ドルで2026年第4四半期中の取引完了を見込んでいるとしている。
- 40億ドル超の米国中堅向け商業保険市場で最大規模のプラットフォームが誕生するとしている。
- USIのシカード会長兼CEOはAon plcの社長兼グローバル中堅市場CEOに就任するとしている。
USIは米国第10位の保険ブローカーで、中堅企業向けの財物・賠償責任(P&C)保険、従業員福利厚生、個人リスク、退職プログラムなどの分野で年間約30億ドルの売上高を持ち、全米約200拠点に1万500人超の専門人材を擁するとしている。同社は独自の分析・ネットワーク・戦略立案プラットフォーム「USI ONE®」を活用しており、Aonの「Aon United」戦略と高い補完性があるとしている。今回の買収はAonが2024年に完了したNFPの買収に続くもので、米国中堅市場のプラットフォームをさらに強化するとしている。
ケースCEOは、リスクと人材の課題において顧客により良い成果をもたらすには、独自データ・分析・技術に支えられた能力と専門知識の組み合わせが必要だとし、今回の買収により米国中堅市場において業界最高水準の差別化モデル(同社が「コンテクスト優位性」と呼ぶもの)を構築できるとの考えを示している。
一方、USIのシカード氏は、両社が強固なワンファームカルチャーと、クライアントへの最善の提供を目指す姿勢を共有していると述べ、USI・NFP・Aonの強みを結集し中堅市場に新たなサービス基準を確立することを楽しみにしているとの考えを示している。取引完了後、シカード氏はケースCEOの直属でAon plcの社長兼グローバル中堅市場CEOに就任し、Aonのエグゼクティブ委員会にも参加するとしている。
今回の買収の戦略的な意義として、(1)中堅市場の強化:40億ドル超の米国中堅商業保険市場での存在感を大幅に高め、同市場が米国商業P&C直接引受保険料の3分の1超を占めることを踏まえたもの、(2)E&S(超過・特殊)リスク保険市場へのアクセス拡大:米国商業P&Cプレミアムの26%を占め最も急成長する分野の一つであるE&S市場へのアクセスを強化する、(3)データ基盤の強化:Aonの独自データ生態系を拡充しAI活用ソリューションの開発を加速させる、(4)統合加速:USI ONE®プラットフォームとAon Business Servicesとの高い親和性が迅速な統合を後押しする、の4点を挙げているとしている。
財務面では、取得価格の170億ドル(税務上の属性約2億7,800万ドルを反映したネットベースでは約167億ドル)は、シナジーを反映した直近12カ月の調整後EBITDA倍率で約14.5倍にあたるとしている。新規借入により資金を調達する予定で、ムーディーズのBaa2、S&PのA-という現在の格付けを維持する方針だとしている。売上高・コストのシナジーにより、中堅市場プラットフォーム全体で年間3億9,500万ドルの純調整後EBITDAへの貢献を見込み、2028年以降に調整後1株当たり利益への貢献が見込まれるとしている。
取引は2026年第4四半期中の完了を予定しており、規制当局の承認など通常の完了条件を前提としているとしている。Aon・USI両社の取締役会は全会一致で承認済みだとしている。
在米日系企業にとって、AonやUSIは商業財物保険・賠償責任保険・従業員福利厚生・D&O(役員賠償責任)保険など、事業運営上必要な多様な保険商品の主要な取り扱い窓口の一つである。今回の統合により中堅市場向けのサービス提供が拡充される見込みだが、取引完了後のサービス体制の変化については、担当ブローカーへの確認が推奨される。












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