2026年8月12日、京都フュージョニアリング(Kyoto Fusioneering、共同創業者兼CEO:小西哲之氏)によって、オークリッジ国立研究所(ORNL)と共同で世界初の核融合増殖ブランケット試験施設「UNITY-3」をテネシー州オークリッジに建設し、米国本社を同地に移転するという発表がありました。(KF公式発表|ORNL公式発表)
- 投資額4,690万ドル・雇用51人。DOEの核融合ロードマップで「国家的優先事項」に指定された増殖ブランケット実証施設をORNLとの官民連携で建設するとしている。
- 世界初の加速器方式増殖ブランケット試験施設で、14MeVの高エネルギー中性子を用いて商用核融合炉に必要なトリチウム自給技術を実規模で実証するとしている。
- テネシー州の支援を受け、日本のUNITY-1・カナダのUNITY-2に続くグローバル試験ネットワーク「UNITYプログラム」の第3拠点となるとしている。
京都フュージョニアリング(KF)は2019年設立の核融合エネルギースタートアップで、核融合炉工学・燃料サイクル技術に特化したシステム開発を強みとする。多くの核融合スタートアップがプラズマ閉じ込めに集中する中、KFは炉周辺技術(増殖ブランケット・燃料サイクル・熱システム)に特化した「業界全体のイネーブラー」として事業を展開している。今回のORNLとの連携は2026年1月に締結した戦略的パートナーシップを発展させるものだ。
UNITY-3が実証する「増殖ブランケット(Breeding Blanket)」は商用核融合炉の実現に不可欠な装置だ。核融合の燃料となるトリチウムは自然界にほとんど存在しないため、核融合炉はリチウムを含むブランケットで自らトリチウムを生産しなければならない。その様な背景の中で、UNITY-3は加速器で14MeVの高エネルギー中性子を生成し、実機スケールに近いブランケット試験体で中性子スペクトルとトリチウム生成量を計測している。また、計算シミュレーションコードの検証も行い、商用炉開発に向けた技術リスクを低減するとしているとしている。
今回のプロジェクトは官民連携で進められる予定で、DOEは核融合科学技術ロードマップ(2026年確定版)でブランケット実証を「国家的優先事項」と位置づけており、UNITY-3に資金を拠出する。また、テネシー州は核エネルギーサプライチェーン投資基金を通じてプロジェクトを支援するとしており、KFのCEO小西哲之氏は「核融合の商業化は主に物理の問題から工学・技術の問題に移行している。テネシーへの展開は日本の専門的な工学の蓄積と米国の優れた核エネルギーのエコシステムを橋渡しするもの」との考えを示した。
核融合スタートアップへの世界の民間投資は2026年に120億ドルを超え、日本企業が米国の研究開発インフラと連携して事業拡大を図る事例として注目を集めているとしている。












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