2026年7月13日、精密モーター大手のASPINA(シナノケンシ株式会社、本社:長野県上田市、代表取締役社長:金子行宏)と、レアアースフリー磁石で先行する米Niron Magneticsによって、レアアース(希土類)に頼らないモーターソリューションを共同開発するサプライ契約を締結したという発表がありました。(プレスリリース)
- ASPINAがNironのレアアース不使用磁石を採用し、次世代モーターを共同開発する。
- 対象はブラシレスDCモーターや送風機など、量産が見込める高需要用途となる。
- 脱レアアースで供給網の一極集中リスクを抑え、量産化への道筋を築く。
今回のサプライ契約では、Nironが独自開発したIron Nitride(鉄窒化物)永久磁石を、ASPINAの精密モーターに供給する。ASPINAのモーター設計・応用エンジニアリングと、Nironの磁石プラットフォームを組み合わせることで、レアアース(希土類)への依存を抑えつつ、自動車、産業、家電、そして宇宙分野などの幅広い用途に対応する新しいモーター設計を可能にする。
両社は、性能・信頼性・材料調達が重視される分野に絞って開発を進めます。具体的には、宇宙、自動車、家電、オートメーションの各産業に向けた、大量生産型のブラシレスDCモーター、ハイブリッド式ステッピングモーター、遠心送風機(ブロワー)などの用途が対象です。レアアース磁石の供給網が特定国に集中するなか、その一極集中リスクへの対応も狙いに含まれます。
Nironは、レアアースを含まない高性能永久磁石を量産する世界で唯一の企業とされ、米ミネソタ州の自社工場で国内生産を行っています。Iron Nitride磁石は自動車や家電、防衛など幅広い機器に使われており、今回の協業は、その磁石技術をモーター設計に応用できる範囲を広げるものです。レアアース依存への懸念が高まるなかでの重要な一歩と位置づけられています。
一方のASPINAは、1918年創業のシナノケンシが展開するコーポレートブランドで、精密モーターやアクチュエーターを手がけます。「小型・軽量・静音」のモーション制御技術を強みに、インフラ、家電、自動車、医療などの分野へ、世界の生産・販売網を通じて製品を供給しています。
NironのCEO、Jonathan Rowntree氏は、精密モーター技術で世界的に評価されるASPINAとの協業を両社にとって重要な一歩だとしたうえで、Iron Nitride技術を適用できる場面を広げるものだと述べました。ASPINAグループCEOの金子行宏氏も、Nironのレアアースフリー磁石技術を活用することで設計の柔軟性を高め、強靭で高性能なソリューションを求める顧客を支えられると語りました。
サプライ契約に基づくプログラムはすでに始動しており、レアアース不使用モーターの量産化に向けた道筋づくりが進んでいます。こうした動きは、重要市場での大量生産に向けて、長期的な磁石供給の確保を重視するOEM(相手先ブランド製造)の姿勢を映したものと言えます。















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