2026年5月、Global Energy Monitorによって、世界の鉄鋼業界で石炭を使う高炉製鉄能力の新設計画が廃止計画を上回り、脱炭素化への移行を脅かしていると発表がありました。(プレスリリース)
・世界で319百万トン/年の石炭ベース高炉能力が発表または建設中となった。
・2035年までに世界の高炉能力は差し引き88百万トン/年増加すると予測された。
・新たな石炭ベース能力の86%はインドと中国で計画されている。
Global Energy Monitorの第6回年次報告書によると、世界の鉄鋼業界では、石炭を使う高炉製鉄への投資が続いており、世界で319百万トン/年の石炭ベース高炉能力が、すでに業界から発表済み、または建設中であるとされている。これは前年から5%増加した数字となる。
さらに、既存の高炉を延命するための改修計画も80百万トン/年分あり、新設・延命の動きが、廃止予定の141百万トン/年を大きく上回っているとのこと。その結果、2035年までに世界の高炉能力は差し引き88百万トン/年増える見通しとされている。
鉄鋼業界は世界のCO2排出量の11%を占め、そのうち約88%が石炭ベースの製鉄に由来するとされており、そのため、より環境負荷の低い技術への移行が重要な課題となっているようだ。
一方で、電炉(EAF)の世界稼働能力に占める割合は、前年の33%から34%へと1ポイント増えたにとどまった。製鉄工程では、直接還元鉄(DRI)を使う方式も全体の10%にとどまり、そのうちグリーン水素を主な還元剤として使うネットゼロ対応の設備は、稼働中DRI能力のわずか2%、4百万トン/年に限られるとされている。
Global Energy MonitorのAstrid Grigsby-Schulte氏は、鉄鋼業界の化石燃料離れの見通しは依然として厳しいと指摘。特に、新たな石炭ベース能力の86%を計画するインドと中国の動きが、業界全体の方向性に大きな影響を与えると述べている。
また、インドでは、世界の新規石炭ベース高炉能力の60%超が開発中であり、開発中の製鉄能力の93%が石炭ベース技術を使う予定とされている。ただし、実際に着工しているのは5%にとどまっており、低排出技術へ転換する余地も残されているとのこと。 中国では、大規模な高炉能力の約94%について廃止計画がなく、インドに次ぐ高炉能力の純増国となっている。












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