2025年12月、米国国税庁・犯罪捜査部門(IRS-CI)は、2025年度(2024年10月1日~2025年9月30日)の年次報告書を発表しました。
報告によると、IRS-CIは世界的な金融ネットワークの保護と税収の確保に向け、合計105億9,000万ドル相当の金融犯罪を特定。前年と比べて15.7%増という成果を挙げ、デジタル証拠の押収量は過去最大となる2.35ペタバイト(前年比60%増)に達しました。
- 金融犯罪摘発額:$10.59B(約1兆5,000億円)、うち税金関連が$4.5B(前年比111.8%増)
- 押収したデジタルデータ:2.35PB(前年比約60%増)
- 家宅捜索の実施件数:前年比25%増
- 米司法省への送致件数:前年比14%増
- 押収資産:約8億ドル/被害者への返金:約1億ドル
報告書によると、IRS-CIの職員数は約3,000人で、そのうち特別捜査官が大半を占めている。
2025年度は、税金詐欺、サイバー犯罪、麻薬密売関連の資金洗浄、政府補助金詐欺など多岐にわたる金融犯罪に対し、データ分析・テクノロジー・国際連携を駆使して対応した。
特に注目された動き:
- 税関連犯罪への捜査時間の64%を集中
- サイバー犯罪者の検挙と起訴も加速し、有罪判決時の平均刑期は63か月
- 麻薬関連犯罪においては447人の有罪判決を確保
また、ワシントンD.C.の「Operation Safe and Beautiful」やテネシー州メンフィスの「Restoring Law and Order Task Force」への参加、さらに国土安全保障省のタスクフォースにも約190名の特別捜査官が派遣され、国家安全保障の面でも大きく貢献した。
新たな取り組み
IRS-CIは2025年度に、以下の2つの主要施策を発表:
- CI-FIRST(フィードバック制度):金融機関と連携し、疑わしい取引報告(SAR)の活用精度を高める公民連携プログラム
- OFRR(金融記録請求の最適化):法的文書のやりとりを効率化し、捜査期間を短縮する取り組み
主な事例
- Feeding Our Future詐欺事件:児童食支援プログラムから2億5,000万ドルを騙し取った詐欺で、首謀者は28年の懲役刑に。
- Bitfinexハッキング事件(2016年):暗号資産約7,100万ドルを洗浄した夫婦が実刑判決に。夫に5年、妻に18か月の懲役。
- 中国籍の潘海平(Haiping Pan)被告:メキシコの麻薬密売組織のために6,200万ドルを洗浄。10年の懲役。
- TD銀行による資金洗浄事件:銀行秘密法違反で18億ドルの罰金を支払い。2019年~2023年の間に6億7,000万ドルの資金が不正に流通していたことが判明。
















コメントを残す