2026年9月8日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、退役軍人の給付へのアクセスを加速するため国防省と退役軍人省(VA)間の記録共有システムを刷新し、AIを活用した給付申請の一元化と即時記録移管を義務づける大統領令に署名するという発表がありました。(大統領令|ファクトシート)
- 除隊時の記録のVAへの即時共有を30日以内に義務化し、入隊〜給付終了までの継続的なリアルタイム共有体制を180日以内に構築するよう指示した。
- AIを活用した給付申請の一元管理デジタルツール(労働省の職業訓練・就業機会も統合)を180日以内に開発・展開するよう指示した。
- トランジション支援プログラム(TAP)を刷新し、除隊前の求人紹介・職業訓練登録と退役軍人担当者への接続を義務化するとしている。
大統領令は現状の問題として、旧来のシステムにより国防省からVAへの記録移管に平均90〜180日を要しており、医療カバレッジ・給付処理・教育機会・就業訓練の開始が遅れていることを指摘している。特に、現役と予備役の間を頻繁に行き来する州兵・予備役兵にとって、記録共有の遅れが給付資格の確定を困難にしているとしている。
今回の大統領令の主な指示は3本柱だ。第一に、除隊と同時(30日以内の義務化)から入隊〜給付終了まで継続的に軍人事ファイルと治療記録をVAに共有するITシステムの構築(180日以内)。第二に、AIと新興技術を活用した給付申請一元化デジタルツールの開発・展開(180日以内)で、労働省の職業訓練・就業機会も同一プラットフォームに統合する。第三に、現行のトランジション支援プログラム(TAP)の刷新で、除隊前にスキルに合った具体的な求人への紹介または職業訓練・登録見習いプログラムへの登録を確保し、退役軍人給付の申請手続きを支援する専門担当者への接続を義務化するとしている。
ファクトシートによれば、政権は2026年7月時点でVA給付の待機者数を2020年以来初めて7万人以下に削減したとしている。また2025年11月には前政権から引き継いだCHAMPVA(退役軍人家族向け医療プログラム)の7万件超の未処理申請を解消したとしている。今回の大統領令は、記録共有のデジタル化とAI活用によりさらなる迅速化を図るものと位置づけられているとしている。
なお、大統領令の文中では国防省の呼称として「Department of War(陸軍省)」が使われており、これはトランプ政権が「Department of Defense(国防総省)」を改称したものだ。退役軍人の雇用支援強化は、民間企業での退役軍人採用(Veteran Hiring)への政府の優先度が高まっていることも示しているとしている。















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