2026年8月4日、日本製鉄株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼COO:今井正)によって、2026年度第1四半期の決算と通期見通しが公表されました。買収したU. S. Steelがグループの収益の柱に育ち、通期の実力ベース事業利益見通しが前回予想から引き上げられています。(決算説明資料)
- U. S. Steelの実力ベース事業利益は1800億円以上に上方修正された。
- 2026年度は連結事業利益7000億円以上、純利益2900億円を見込む。
- 米国では2028年末までに110億ドルの成長投資を計画している。
第1四半期(4〜6月)の売上高は2兆8211億円、在庫評価などを除いた実力ベースの事業利益は1084億円、親会社株主に帰属する四半期利益は752億円だった。中東情勢による原燃料コストの上昇や同地域向け輸出の減少などが重荷となり、四半期だけで約250億円の押し下げ要因となったとしている。
2026年度通期は、売上高11兆2000億円(前回予想比2000億円増)、実力ベース事業利益7000億円以上、親会社株主帰属利益2900億円(同700億円増)を見込む。想定為替レートは1ドル160円。円安と原燃料価格の上昇による在庫評価益の増加も利益を押し上げる。配当は年24円を計画し、2030年度までの中長期計画では配当性向約30%を維持しつつ、1株24円の最低配当を導入する方針を示した。
最大の変化は米国事業である。U. S. Steelの実力ベース事業利益は通期で1800億円以上と、5月時点の予想(1000億円)から800億円の上方修正となった。前年度(連結対象の9か月)は56億円の赤字で、そこからの改善幅は1856億円に上る。要因は、米国の鋼材価格上昇を背景とした外部環境の改善が約600億円、シナジーの実現や高炉再稼働の通年寄与といった収益改善策が約200億円となる。国内製鉄事業が原燃料高などで前回予想から下振れするなか、海外が全体を支える構図となっている。
米国の事業環境については、鋼材輸入の減少と国内需給の引き締まりを背景にHRC(熱延コイル)価格が市場の想定を超えて上昇していると分析する。需要面ではエネルギー分野が安定し、建設は民間の弱さを公共インフラとデータセンター建設が補っているとした。2025年の米国の粗鋼生産は8190万トンとなり、日本(8070万トン)を44年ぶりに上回ったことにも触れている。
投資も進む。U. S. Steelでは2028年末までに110億ドルの大型成長投資を計画し、2026年8月時点で承認済み案件は累計約37億ドルに達した。内訳には、Big Riverでの新DRI(直接還元鉄)工場(18.8億ドル、2029年完成予定)、Garyの第14高炉の改修(3.5億ドル、5〜8月の約100日間)、Fairfieldの鋼管焼入焼戻しラインの増強(4.75億ドル)などが並ぶ。運営面のシナジーは2026年度に年3億ドルへ拡大する見通しで、日本製鉄からの派遣者は約50人から約100人規模へ増やす。電炉のBig River 2は2026年6月に月産20.4万ショートトンの過去最高を記録し、通年では250万ショートトンの生産を計画している。










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