2026年7月21日、Electra.aero, Inc.(本社:バージニア州マナサス、CEO:Marc Allen)によって、オハイオ州スプリングフィールドに8億5000万ドルを投じ、ハイブリッド電動機「EL9 Ultra Short」の初の量産拠点を設けるという発表がありました。英国のファンボロー国際航空ショーの場で、Mike DeWineオハイオ州知事らとともに公表されています。(プレスリリース)
- Electraがオハイオ州スプリングフィールドに8億5000万ドルの工場を建てる。
- 1975人の新規雇用を見込み、年最大800機の生産体制を目指している。
- 150フィートで離着陸するハイブリッド電動機EL9を量産する計画だ。
建設地はスプリングフィールド・ベックリー市営空港に隣接するAirPark Ohioで、敷地は96エーカー。クラーク郡での投資額は8億5000万ドルにのぼり、1975人の新規雇用が生まれる見込みだ。設計作業はただちに始まり、着工は2027年が想定されている。第1段階では年間最大400機、第2段階では年間最大800機まで生産能力を広げる計画である。
生産するEL9 Ultra Shortは、9人乗りの固定翼機だ。ハイブリッド電動の推進系と、プロペラ後流で揚力を得る「ブローンリフト」技術を組み合わせ、150フィート(約46メートル)ほどの距離で離着陸できる設計になっている。同社は、駐車場やはしけ、競技場といった従来にない発着地点を使い、目的地まで直接飛ぶ「Direct Aviation」という移動の形を掲げており、EL9はその需要に応える機体という位置づけだ。
立地は、1年をかけて全米140カ所超を比較した選定作業の末に決まった。デイトン・スプリングフィールド地域が選ばれた理由として、スプリングフィールド・ベックリー市営空港にある先進航空モビリティ(AAM)の拠点施設や試験環境、デイトン国際空港周辺で広がるAAM関連の生産集積、ライト・パターソン空軍基地と空軍研究所への近さが挙げられている。DeWine知事は、同地域が次世代機の設計・試験に加えて量産までを担う場になると述べた。
Allen CEOは、実証段階から現実の事業へ移る節目だとし、すぐ使える用地、熟練した労働力、航空宇宙・防衛の産業集積、州や地方の首長の姿勢という組み合わせが決め手になったと説明した。JobsOhioのJ.P. Nauseef社長兼CEOも、同空港をAAMの全国的な拠点にしてきた取り組みの延長にあると位置づけた。オハイオ州は今回の発表の2週間ほど前に、CNBCの「Top State for Business」に選ばれている。
投資には、雇用創出や人材育成、インフラ整備、長期的な製造業の成長に結び付いた州・地方のインセンティブが充てられる。オハイオ州開発局の雇用創出税額控除(Job Creation Tax Credit)については、今後の税額控除委員会の会合で申請される予定で、JobsOhioによる支援内容は最終合意の締結後に公表される。Electraは2020年設立で、ヘリコプターやeVTOLと比べて積載量2.5倍、航続10倍、運航コスト7割減を主張する。戦略投資家にはLockheed Martin Ventures、Honeywell、Safranなどが名を連ね、米空軍・陸軍・海軍やNASAが契約顧客となっている。













コメントを残す