2025年12月、モルガン・スタンレーの米国テーマ戦略アナリスト Michelle Weaver氏によって、データセンターと電気代の関係についての詳細な分析が発表されました。コロナ後も高止まりする電力インフレに対し、AIブームによるデータセンターの電力需要が影響している可能性が指摘されています。
- データセンターの急増が電力需要を押し上げ、電気料金の上昇を招いている。
- 特にPJM管内では、2025年〜2027年にかけて1.66兆円規模の電力確保費用が発生。
- 将来の需要予測が過大だった場合、インフラ費用が無駄になり、消費者が負担を強いられるリスクがある。
米国では、コロナ禍以降も電力インフレ率が4〜5%と高水準にとどまっており、天然ガス価格の下落にもかかわらず電気料金が上がり続けている背景には、AIの急成長に伴うデータセンター需要の急拡大があると分析された。
特に注目されたのは、PJMインターコネクション(米最大の送電網)が発表した予測によると、2025年から2027年にかけての電力確保コストが約166億ドル(約1.66兆円)にも達するという点。これは13州・約6500万人の電力利用者に直接転嫁される形となり、住民の電気代負担を増やしている。
このコストのうち約90%、つまり150億ドルが「将来建設される予定」のデータセンター需要によるもので、まだ建設すらされていない施設のために消費者が先払いしている構図になっているとの指摘もあったとのこと。
電気代の上昇は実際に数字として現れており、2025年9月時点で前年同月比でイリノイ州では+20%、オハイオ州で+12%、バージニア州で+9%の値上げが確認されたそうだ。
懸念されているのは、過剰な電力需要予測に基づいてインフラが建設された場合、利用されなければ「ストランデッド・コスト(埋没費用)」となり、消費者がそのツケを支払うことになるという点。
実際、AEP Ohioでは、データセンター側に電力契約の85%を最低利用保証として課すルールを導入した結果、要請容量が30ギガワットから13ギガワットに半減。このようなルール整備により、より現実的な需要予測と投資判断が可能になると期待されているとのこと。
一方、業界団体はこのような制限を「差別的だ」と批判しており、政治的な対立の火種にもなっている。
将来的な対応策として、PJMが「電力供給能力が不足している場合には接続リクエストを拒否する」制度を導入すべきとの声もあり、FERC(連邦エネルギー規制委員会)への正式な要望も提出されたとのこと。
背景には、ChatGPTやClaudeのような生成AIモデルの普及があり、これを支える膨大なコンピューティング能力を必要とするデータセンターの建設ラッシュが全米で起きていることがあります。かつて20年間横ばいだった電力需要が、今や急増に転じている。
ただし、一部の電力会社やアナリストは「予測は過大で、AIブームはバブル化している可能性もある」と警鐘を鳴らしており、今後の政策と規制のあり方が注目されている。












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