2025年12月5日、Netflix, Inc.(本社:米国カリフォルニア州ロスガトス、共同CEO:テッド・サランドス、グレッグ・ピーターズ)によって、Warner Bros. Discovery(WBD)の映画・テレビスタジオおよびHBO Maxなどの配信資産を総額720億ドルで買収する契約を締結したと発表がありました。
- NetflixがWarner Bros. Discoveryの映画・テレビスタジオおよびHBO Maxを約720億ドルで買収する契約を締結。
- 買収により、NetflixとHBO Maxの会員数を合わせたストリーミング市場シェアは世界全体の56%に拡大する見込み。
- トランプ政権や米議会から反トラスト(独占禁止法)審査の懸念が表明され、規制当局の承認が今後の焦点に。
この歴史的な買収は、Netflixが映画業界の象徴的存在であるWarner Bros.とその配信部門HBO Maxを取り込み、世界最大級のエンターテインメント企業へと変貌することを意味する。Netflixはすでに3億人の世界的な会員を有しており、HBO Maxの1.28億人を加えることで、グローバルな配信シェアは56%に達する見込みとされた。
取引総額は約827億ドル(企業価値ベース)で、現金と株式による支払いを予定しており、WBD株主には1株あたり23.25ドルの現金と4.501ドル分のNetflix株が提供される予定。なお、この取引はWBDがGlobal Networks部門(Discovery Global)を分離・上場した後に完了する見込みで、完了時期は2026年第3四半期〜2027年前半と見られている。
Netflixは、ワーナー・ブラザースの既存運営体制を維持しつつ、劇場公開作品も含めた映画制作体制を拡充。これにより、クリエイターにとっても新たな機会が生まれるとされており、同社は今後3年以内に年間20~30億ドルのコスト削減を見込んでいる。
規制と政治的影響
この大型合併に対しては、トランプ政権が「強い懐疑的姿勢」を示しており、上院議員エリザベス・ウォーレン氏(民主党)は「視聴者の選択肢を狭め、価格を吊り上げる可能性がある」として、反トラスト審査を強く要求している。
司法省(DOJ)は審査を主導する見通しであり、審査には数か月〜1年以上かかる可能性がある。またNetflix側は、規制が問題となる場合に備えて58億ドルの「ブレイクアップフィー(契約破棄時の違約金)」を設定しており、強い意志をもって取引成立を目指していることがうかがえる。
取引背景と影響
この取引には、Paramount SkydanceやComcastといった他のメディア大手も入札していたが、最終的にNetflixの提示条件が選ばれた。Paramountは売却プロセスに不公平があったと主張し、法的な異議を申し立てる姿勢を見せている。
Netflixは近年、『イカゲーム』『ストレンジャー・シングス』『ブリジャートン』などのオリジナルコンテンツで業界のトレンドを牽引しており、今回の買収によって『ハリー・ポッター』『ゲーム・オブ・スローンズ』『ビッグバン★セオリー』といった人気IPも傘下に加わる。
今後の焦点は、ストリーミング市場が「独立した市場」として規制当局にどう定義されるかにある。Netflixは「テレビ全体」「視聴時間」など広い定義での審査を主張する見込みであり、YouTubeやFacebookといった他の視聴プラットフォームも含めて議論される可能性が高い。















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