2025年5月5日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、病原体の機能獲得研究(gain-of-function research)に対する新たな制限と規制を定めた大統領令が発令されました。この命令は、危険性の高い研究に対する連邦資金の停止や、外国で行われる生物学的研究への監視強化を含んでいます。
概要
病原体の感染力や毒性を高める「危険な機能獲得研究」への連邦資金供給を即時停止すること、ならびに米国外の監視困難な地域で行われる生命科学研究の制限を命じる内容。新たな監督枠組みの策定や、非連邦資金による研究への追跡体制の整備も盛り込まれているとのこと。
詳細
- 大統領令ではまず、特に中国など「懸念国」において行われる機能獲得研究への連邦資金供与を即時停止するよう、OSTP(科学技術政策局)とOMB(行政管理予算局)、国家安全保障補佐官などに命じた。
- また、連邦資金による研究だけでなく、国内で実施される非連邦資金の危険な研究についても、180日以内に追跡と規制のための戦略策定を行うよう指示されている。
- さらに、2024年に策定された「二重使用研究およびパンデミック潜在病原体に関する政策」の改訂を求め、より強固な監査体制や違反時の資金停止、研究機関名の公表などの仕組みを導入するよう求めた。
- 合成核酸の調達に関する監視フレームワークも90日以内に見直され、今後は政府が資金提供する研究のみならず、民間主導の研究でも合成遺伝子の安全性が確保されるよう義務化される。
- 連邦政府の支援を受ける全ての研究機関には、報告義務、遵守証明、違反時の5年間の助成停止措置などが課される見通しだ。
- 定義上、「危険な機能獲得研究」とは、感染症の病原体や毒素に対して以下のような性質を強化する研究を指す:
- 病原性の増強
- ワクチン効果の妨害
- 検出回避や治療薬耐性の付与
- 感染力や安定性の増強
- 人間への感染可能性の強化
- 絶滅済み病原体の再構築 など
- この命令は、新型コロナウイルスの発生後も十分な規制がなかったという反省から、アメリカ国内外の生物研究を見直す一環として行われたもの。
- バイオテクノロジーの発展と安全保障のバランスをとることを目的としており、世界的な研究主導国としての立場を維持する意図も読み取れます。








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