2026年3月6日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、サイバー犯罪やオンライン詐欺、搾取的な犯罪からアメリカ国民を守るための大統領令と関連ファクトシートが発表されました。政府機関の連携強化や国際的な取り組みを通じて、国際犯罪組織によるサイバー犯罪ネットワークの解体を目指す方針が示されています。(大統領令|Fact Sheet)
- サイバー犯罪やオンライン詐欺対策を強化する大統領令が発表された。
- 国際犯罪組織による詐欺拠点やサイバー犯罪ネットワークを解体するための行動計画の策定が指示された。
- 被害者救済制度の検討や国際的な法執行協力の強化が盛り込まれた。
今回の大統領令では、ランサムウェア、マルウェア、フィッシング詐欺、金融詐欺、なりすまし、セクストーションなど、インターネットを利用した犯罪がアメリカ社会に深刻な被害をもたらしていると指摘された。これらの犯罪は多くの場合、国境を越えて活動する国際犯罪組織によって組織的に実行されているとされ、被害者の多くは高齢者や子ども、低所得世帯など社会的に弱い立場の人々であると説明された。
大統領令では、国務省、財務省、国防省、司法省、国土安全保障省などの関係機関が連携し、60日以内に既存の運用・技術・外交・規制の枠組みを見直すことが求められた。また、その結果をもとに120日以内に行動計画を策定し、詐欺拠点やサイバー犯罪を運営する国際犯罪組織を特定し、摘発や解体につなげるための具体策をまとめることとされた。
この取り組みでは、国家調整センター(National Coordination Center)に専用の運用チームを設置し、政府機関だけでなく民間のサイバーセキュリティ企業とも連携しながら、サイバー犯罪の追跡や阻止を進める体制が整備される予定とされた。さらに、司法省はサイバー詐欺や詐欺拠点に関与する犯罪の起訴を優先的に進める方針が示され、国土安全保障省は州政府や地方自治体に対して技術支援や訓練を提供し、重要インフラの防御能力強化を支援するとされた。
また、犯罪組織から押収した資金を被害者に返還する「Victims Restoration Program(被害者回復プログラム)」の創設も検討されており、被害者救済の仕組みづくりも進められる予定とされた。
背景として、オンライン詐欺による被害は拡大しており、2024年にはアメリカの消費者がサイバー関連詐欺によって125億ドル以上を失ったと報告された。調査では、アメリカの成人の73%が何らかのオンライン詐欺や攻撃を経験しており、87%の高齢者がオンライン詐欺を大きな問題と認識しているとされている。
また、トランプ政権はこれまでにもサイバーセキュリティ強化のための取り組みを進めており、2025年にはオンラインでの画像悪用やディープフェイクによる被害から子どもや家庭を守る「TAKE IT DOWN Act」に署名するなど、オンライン犯罪対策を段階的に強化してきた。今回の大統領令は、こうした取り組みをさらに拡大し、国際的なサイバー犯罪ネットワークへの対抗を強化する政策として位置付けられているとのこと。












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