2025年7月24日、アメリカ合衆国ドナルド・トランプ大統領 によって、大学スポーツ制度の安定と女子・非収益スポーツの保護を目的とした大統領令が発表されました。
- 急速に“プロ化”が進む大学スポーツ界に対し、「教育・育成機会としての本来の姿を守る」国家方針を表明。
- 収益に関わらない女子・非収益スポーツの奨学金や出場枠の維持・拡大を大学に求めた。
- 第三者による“買収型”報酬制度(Pay-for-Play)を排除し、公平性と競争環境の回復を狙う。
この大統領令は、NCAA(全米大学体育協会)や州法によって過度に自由化・商業化された現状への警鐘として発令されました。
2021年の最高裁判断を契機に、選手がNIL(氏名・肖像・人気)をもとに企業等から報酬を受け取ることが認められるようになりましたが、それが形骸化。事実上の「入札合戦」や「即時転校制度」が横行し、次のような問題が生じているとされました:
- 一部大学では選手報酬が年間35~40億円規模に達し、競争バランスが崩壊。
- 富裕校が地方大学から選手を引き抜く“逆ドラフト”現象が拡大。
- 資金がフットボールやバスケなど収益競技に偏り、他の競技(とくに女子競技)が打撃を受けている。
そのため政権は、以下の対策を導入するとしました:
女子・非収益スポーツの保護(セクション2)
- 年間収益1億2500万ドル超の大学:非収益スポーツの奨学金数・出場枠を増加。
- 年間収益5000万ドル超の大学:同じ水準の維持を義務化。
- 5000万ドル未満の大学:収益に基づいた一方的な削減は禁止。
- 大学による選手への収益分配(Revenue Sharing)も、非収益競技の機会維持・拡大が条件。
Pay-for-Play型報酬の排除
- 第三者が競技と無関係な報酬で選手を引き抜く行為は「大学スポーツの本質に反する」として禁止。
- ただし、適正な市場価値に基づく広告契約などは容認。
実行体制の構築(セクション2(d)ほか)
- 教育省・司法省・FTC(連邦取引委員会)など関係機関が30日以内に行動計画を策定。
- 連邦補助金や規制、訴訟戦略を通じて制度の安定化を図る。
この命令は、全米女子スポーツの存続と発展を国家的課題と捉える姿勢を強く示したものです。とくに、アメリカのオリンピック選手の多くが大学スポーツ出身であることを挙げ、「大学スポーツはリーダー育成の基盤であり、単なるビジネスではない」と明言されました。
また、労働省と全米労働関係委員会(NLRB)には、学生アスリートの法的地位の明確化を指示。「学生」でありながら「労働者」として扱う動きへの牽制と見られます。














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