2026年10月7日付で、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、クックFRB理事の虚偽記載疑惑を調べる調査委員会を設置する大統領覚書が発表されました。(大統領覚書|PBS NewsHour)
- 大統領は、クックFRB理事の住宅ローンをめぐる虚偽記載疑惑を調べる調査委員会の設置を命じた。
- 委員会は11月5日に非公開の審理を行い、解任に足る「正当な理由」があるかを大統領に報告する。
- クック氏側は「不注意による誤り」で不正ではないと主張し、手続きが公正かどうかを見極めるとしている。
トランプ大統領は、連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事が住宅ローン関連の書類で虚偽の記載をしたとされる疑惑を調べるため、調査委員会(Committee of Inquiry)を設置する覚書に署名した。委員は、大統領補佐官(経済政策担当)、雇用機会均等委員会(EEOC)委員長、政府倫理局長の3人で、PBSによると、それぞれケビン・ハセット氏、アンドレア・ルーカス氏、キース・ソンダーリング氏である。
委員会は、連邦準備法(12 U.S.C. 242)にいう解任の「正当な理由(cause)」があるかどうかを、今年の連邦最高裁判決(Trump v. Cook)の解釈に沿って調べ、大統領に報告する。司法省の職員などに協力を求めることもできる。覚書は、法の忠実な執行には「真実を語らず法に従わない部下を解任すること」が含まれると述べている。
手続きとしては、11月5日にホワイトハウスで、4時間以内の審理を非公開で開き、記録は文字に起こす。クック氏は審理に出席して委員会や自身の弁護人から質問を受け、反論や証拠、証人の書面陳述を提出できる。審理の3日前までに書面の意見書を提出でき、委員会は審理前に検討中の証拠を同氏に示す。審理後の書面陳述の提出期限は11月10日で、委員会は、その後できるだけ早く事実認定と法的結論、解任の是非についての勧告を大統領に提出する。委員会は、同氏に十分な通知をしたうえで、手続きを変更することもできる。
経緯として、トランプ大統領は2025年8月にクック氏の解任を試み、同氏が2021年の住宅ローンの申請で、2件の物件を「主たる住居」として申告したと主張した。クック氏は不正を否定しており、起訴はされていない。最高裁は2026年6月29日、解任を差し止めた下級審の仮差し止め命令を維持する判断を示した。ロバーツ長官が執筆した多数意見は、「正当な理由」の有無は、問題とされる行為の重大さと職務との関連性による裁判所の審査対象になるとし、クック氏に証拠の説明や反論の機会が与えられなかった解任は「誤りで無効」だと述べた。PBSは、同判決の脚注が、適切な通知と反論の機会を与えれば、大統領が改めて解任を試みる余地を示したと伝えている。
クック氏の弁護人であるアビー・ローウェル氏とノーマン・アイゼン氏は、問題は「不注意による誤り」で不正ではなく、政権内の他の人物も同様のことをしたと主張している。クック氏は審理に出席する可能性があり、「事実を示す機会を歓迎する」としつつ、手続きが真摯なものかどうかを検討しているという。
元FRB法律顧問のスコット・アルバレス氏は、疑惑は解任の要件を満たさないように見えると指摘し、TDコーウェンのジャレット・セイバーグ氏は、解任の根拠を作るための手続きだろうとみている。FRBはコメントを控えた。なお、覚書の日付は10月7日で、PBSは9日の発表として報じている。













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