2025年12月18日、アメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領によって、「医療用マリファナおよびカンナビジオール(CBD)の研究強化」に関する大統領令が発表されました。
- 医療用マリファナを規制物質法のスケジュールIIIに変更する方針が示された。
- 医療用CBD製品へのアクセス拡大と品質基準整備を進めるとされた。
- 高齢者や退役軍人などの健康改善を目的とした研究体制の整備が指示された。
アメリカ政府は、長年にわたり連邦レベルで認められてこなかった医療用マリファナの有効性について、近年の研究と州レベルの動向を踏まえて政策転換を図る方針を明確にした。2023年、米国保健福祉省(HHS)がマリファナをスケジュールI(医療用途なし、高依存性)からスケジュールIII(医療用途あり、依存性は中程度)への変更を提案し、これに基づき司法省が再分類に向けた規則制定を進めている。
医療用マリファナの研究は、これまで規制の厳しさから十分に進められておらず、患者や医師が安全に使用するための情報が不足していた。特に慢性的な痛みを抱える成人の約4人に1人、高齢者では3人に1人が痛みの管理にマリファナを使用しているとの調査結果もあり、使用実態と医療ガイドラインのギャップが課題とされてきた。
また、CBD(カンナビジオール)に関しても、5人に1人の米国成人、さらに15%の高齢者が使用経験を持つが、製品のTHC含有量や品質表示の不正確さが消費者の安全性を脅かしている。これに対応するため、政権はFDA(食品医薬品局)などの関係機関に対し、実世界データを活用した研究手法の開発と、製品の品質基準に関する法的枠組みの整備を求めている。
今回の大統領令により、以下の具体的な措置が講じられる予定とのこと:
- マリファナのスケジュールIII移行手続きの迅速化
- CBD製品のTHC含有上限や比率の明確化、製品カテゴリーの再定義
- 高齢者や若年層、退役軍人などの脆弱な集団を対象とした長期的健康影響の研究モデル構築
医療現場での実用に向けて、医師と患者が信頼できる情報を得られる環境を整えることが目指されており、アメリカの医療政策が新たな局面に入ったと考えられる。














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