2025年8月、ソフトバンクグループ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:孫 正義)は、台湾の電子機器大手フォックスコン(本社:台湾新北市、正式名:鴻海精密工業)と提携し、アメリカ・オハイオ州の旧電気自動車(EV)工場をAIデータセンター設備の製造拠点へ転換することを明らかにしました。
この動きは、2025年1月にトランプ大統領によって発表された総額5,000億ドル規模の「Stargate計画」の一環とのことです。
- フォックスコンとソフトバンクが米オハイオ州でAIデータセンター用設備の製造を開始。
- 工場は旧EV製造拠点を活用し、ソフトバンクが3億7,500万ドルで取得。
- 計画は、OpenAI・Oracle・ソフトバンクが共同推進する「Stargate」プロジェクトの重要拠点。
フォックスコン会長の劉揚偉(ヤング・リウ)氏は記者会見で、ソフトバンクがオハイオ州ロードスタウンにあるEV工場を購入し、同工場を両社が共同で設立する新たな合弁会社のもとで運営することを発表した。
この拠点では、OpenAIの次世代データセンター向けに使用されるモジュラー型AIサーバー設備を製造予定。施設内では、AIインフラ整備に不可欠な電力や土地の条件が揃っており、ソフトバンクと一致して「タイミング的にも最適」と判断されたとのこと。
なお、このプロジェクトはすでに半年前から準備段階に入っていたとされている。
今回の動きは、ソフトバンクが今年売却した約58億ドル相当のNVIDIA株からの戦略転換とも言われており、今後は「株主」から「インフラ構築の担い手」としての立場をより強くしていく意図があるようだ。
フォックスコンの現状と今後の展望
フォックスコンは先週、AIサーバー関連収益が初めてスマートデバイス関連を上回ったことを発表。第3四半期のAIサーバー収益は前年比170%以上の成長が見込まれており、AI関連インフラへの注力を強めている。
現在、同社の売上構成比ではサーバーを含むクラウド・ネットワーク製品が41%、スマート家電が35%を占めており、今後はさらにサーバー部門の拡大を目指し、テキサス州やウィスコンシン州の製造施設にも追加投資を行う方針。
ただし、米中間の通商摩擦や関税、為替の影響には引き続き注意が必要としている。
一方で、フォックスコンは引き続きEV「Model C」の米国販売計画も維持しており、初期生産は台湾で行う予定。
追加情報
- プロジェクト名:Stargate(スターゲート)構想
- 総投資規模:5,000億ドル(ソフトバンクは最大1,000億ドルをコミット)
- 拠点所在地:オハイオ州ロードスタウン(旧Foxconn EV工場)
- 工場売却額:3億7,500万ドル
- 主なパートナー企業:OpenAI、ソフトバンク、Oracle
- 目標:米国内でのAIインフラ(特にデータセンター)の迅速かつ大規模な展開















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